藤井フミヤという人は不思議なアーティストである。
芸能界において、アイドル出身でありながら今なお歌を歌えば大人の繊細さとエロティックさを併せ持ち、普段は何気なくエフォートレスでありながら、絵を描けばこのような才気あふれる作品をいとも簡単に(本人は決していとも簡単ではないのだろうけど)披露して見せる。
コンピュータグラフィックの時代から彼の個展に通っていたわたしは、その才能に惚れこみ、何年か前からは年末に作成するカレンダーに近年のアート作品が載るようになって、会社のデスクに飾って飽きもせずに見つめている。
さり気なくファッショナブルで、さらりと風のように生きているように思えるけど、確実に軌跡を残していく、こういういい歳の取り方に、女でありながら憧れる。
レセプションはたくさんの人々で大盛況、感嘆の声があちこちから聞こえてきた。往年のコンピュータ・グラフィックスやデジタル・クラフトによる傑作から、今回初公開の油彩・水彩画などのアナログ作品まで、宇宙とエロティシズムを感じる圧巻の数々が公開中。
16年ぶりの個展は会期が短かすぎる。。
作品はもちろん、おそらくオリジナルであろう額装も素晴らしい。
デジタルとアナログで創造する藤井フミヤ展 多様な想像新世界 The Diversity
2019年8月21日~9月1日
代官山ヒルサイドフォーラム