猫のツメ、ときどき腰痛。

偏った物欲と健康への偏愛。ときどき旅。ときどき腰痛。 せまりくる高齢化社会を笑いながら生き抜くための情報発信ブログ。

「置き配」サービスに思うこと

最近始まった「置き配」サービス。注文時に、不在の場合の荷物の置き場所として玄関前、ガスメーターボックス、自転車のかごなどを指定することができるサービス。Amazonを始め、アスクル、楽天、ゆうパックなども導入している。経済産業省と国土交通省が「置き配検討会」をするほどの取り組みで、これにより再配達をなくしドライバーの負担を軽減することができるのだという。

 

正直、普通に疑問というか、驚いた。いくら治安のいい日本とはいえ、盗難のリスクは誰しも考えるだろうに、再配達をなくす対策がこれなのか?? 

当然、荷物が紛失したとか、「置き配」を指定していないのに勝手に玄関に置かれていたなどのトラブルは報告されているわけで、置き配後の盗難は自己責任であるなら誰も利用しないだろうと思いきや、意外にこのサービスを活用し、ありがたがっている人がいることにさらに驚いた次第である。

Twitterには自宅の玄関前のメーターボックス前に置かれた荷物の写真をアップして喜んでる人たちの投稿も見られる。確かにマンションやアパートでは宅配ボックスなどがないと、コンビニ受け取りにしてわざわざ取りに行かないといけないし、再配達の連絡も面倒、さらに受け取りの時間を合わせるのが無理、という人には本当に便利なサービスなのかもしれない。

でも、普通に考えてこれだけのリスクがある

 

□商品が盗難にあう、あるいは紛失する

□商品が風雨やその他わからない原因で破損する

□伝票が貼ってあることで個人情報が露呈する

□犯罪へ悪用される

□誤配された時の面倒

 

ここに商売の目を付けたのか、玄関の前に置く簡易型宅配ボックスが売れているという。さらに、コンパクトにたためて、不在でも玄関前に吊るしておけば荷物の受け取りが可能な、アプリ連動型置き配バッグ「OKIPPA(おきっぱ)」ですと。防水加工で玄関口や玄関周辺に固定する"OKIPPA"専用ロック付きで盗難防止というけれど、それって「わたしは留守です」と周囲に知らせてるようなものじゃないのか??

それにマンション前の廊下は共有スペースのはず。勝手に物を置いていいのか?? え?あたし老齢のせいでうるさいですかね??うーん。。。

www.okippa.life

 

さらに、今回わたしが気づいたのは、写真の撮影をして掲載する危険性。人の家の敷地内で写真を撮る行為への危機管理意識が、ECサイトの運営側にも配達業者にもあまりにもなさすぎる。それにもしかして写真に位置情報付いてないか?

問い合わせると「置き配」を指定することで、写真を撮らない希望にしない限り、写真を撮ることを了承したことになるらしいのだが、それは置き配の説明にないので非常にわかりにくい。むしろ、利用者のために親切なサービスをしている&なかったと言われた場合の証拠写真だから、当たり前、という感じ。

「この写真の管理はどこがしているのですか?」という質問に、電話の向こうのカスタマーセンターの人ははっきりと答えられなかった。そうだろう、どこの誰だがわからない配達員の持つカメラから写真は送られるのだろうが、元データはそのカメラにそのまま。写真には位置情報が付いていいる場合がある。それがその後万が一紛失しようがどう使われようが、知りようがないのである。万が一犯罪に利用されたらと思うと気が気ではない。

 

Amazonの場合、そもそも「置き配」はADPが配送業者の時のみなんだそうだ。ADPとは「アマゾン・デリバリー・プロバイダ」のことで、アマゾンが提携している配送業者の中でヤマトなどの大手ではない、ローカル配達業者何社かの総称で、具体的にどこが担当するかは地域や物による。 ADPかどうかを知るには注文商品発送後、注文履歴を見ると配送を担当する配送業者名が表示される。

そもそも「置き配」を利用したくない場合は「置き配指定」のところを開けずにそのままにするか、、開けて□置き配を利用しないにチェックを入れるかする。ただし、注文時に「置き配」を指定しなくても、配達員が来た時、直接受け取らずに(出れないときなど)インターホンで置き場所を指示すると、ADPの配達員の時に限って、「置き配」 扱いに自動的になるんだそうだ 。そして写真を撮る設定をオフにしていない限り、写真を撮られる。

Amazonでは「宅配ボックス」「玄関」「ガスメーターボックス」「車庫」「自転車のかご」「建物内受付/管理人」への置き配を行っているが、「宅配ボックス」に限っては写真は撮られることはなく、不在票にメモが残される。。

また、「置き配を利用しない」「写真は撮らない」設定に一度しておくと、その設定は変更しない限り、次回以降の買い物に継承されるらしいから、とりあえずは安心ということか。

聞いてメモ取るだけで、めんどくさーーーーーー。

 

いつの間にか当たり前のように始まっていたこのサービス、ありがた迷惑な人もいれば、本当に助かる人もいるのだろう。本人たちが了解の上ですることには何ら問題ない。

だけどもう少し、事前にきちんと詳細規則をアナウンスしてほしいものである。

 

それにしてもなあ。。。盗難のリスクは何をしても減らないことは忘れてはならないと思うけど。盗難にあった後のいろんな連絡手続きの煩わしさは、受取人側にもサービス提供サイト側にも発生する。いらぬ疑いが配達員に向けられることもあるだろう。「基本的にはあまり外目では見えない場所でかつ、外部の人間が侵入しにくい場所となっているため、置き配された荷物が盗難されてしまう危険性はそれほど高くはありません。」と言うが、自転車のカゴが果たしてそうか?

そのうち「置き配」の「置き引き」、泥棒事件が頻発すると思うのは心配性のわたしの杞憂だろうか??

 

アメリカでは実際、荷物の盗難が相次いでいることから、(もっと驚いたことに!)荷配達員が留守中の家のドアを開けて荷物を配達してくれる「Amazon Key」というサービスが始まっているという。荷物のバーコードをスキャンすると、インターネットに繋がって玄関の鍵が開き、室内のカメラの録画が始まる中、配達員は荷物を置いて行くという仕組み。これってあり??こうなっていくわけ??アメリカでこれ??正直ひっくり返った。

 

ECサイトの発達によりわたしたちの生活は本当に便利になった。欲しいものが翌日届くというのは、働いていたり、諸事情で買い物に行く時間のない人たちには本当にありがたい。その分、配達員の方たちの苦労のおかげだと感謝しなければならないし、なるべく無駄な動きがないようにこちらも考慮しなければならない。それは重々承知である。でも再配達の負担を減らすのにもっといい方法はなかったのだろうか?システム化されすぎたことによるトラブルで、後からアナログな対応に追われるって、本末転倒のような。再配達の連絡方法や受取人との密な連絡連携によって、他の改善策はなかったのだろうか?とも思うのである。

 

利便性と危機管理、、、どっちを取りますか??

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