どよ〜んとした曇天の日に鼻を焼かれることになった。
「鼻焼きの刑」に足取りも重い。。
あ、焼くのは鼻の粘膜です。正式には鼻甲介焼灼術。
本当は鼻の骨を削るのを勧められているのだが、全麻でも起きて暴れかねないので、まずは腫れた粘膜を焼くことに。
しかしどこかのタレントさんがこないだ「鼻の骨を削る手術をしたら、世の中にこんなに空気があるのかと思った」と言ってたことがずっと鼻の奥に、いや心の奥に残っている。。。
鼻から下は消毒するので、顔の上半分だけ化粧した。
アイラインはいつもより念入りに。
こういう時は目ヂカラが大事だからな。
しかし、病院には何を着ていけばいいんだろう?
知り合いに会うかもしれないし。
そうだ!お気に入りのadidas3ストライプスのジャージを履いていこう。
サルエルデザインのイキなやつだ。メンズのXSだけど…。
いつも思うんだけど、どうしてジャージとかスニーカーってメンズの方がかっこいいデザインなんだろう??レディースは馬鹿にしてんのかって感じ。
不吉な予感がしながら大学病院の待合室で震えていたら、デカい声で名前を呼ばれた。病院は個人情報気にしてほしいんですが。
いつも会社の診療室で会う先生が、手術室では少し立派に見えるが、たぶん気のせい。
看護師は美人だが森泉に似てるので、安心できない。。
焦点が定まらない不安感が、、、
緊張マックスで血圧が跳ね上がり腰痛が悪化!!
鼻の奥深くに麻酔の染み込んだガーゼを押し込まれると思っただけで、、、
窒息パニックになりそうだ、、
「だれか救急車呼んでくださいっ」
「ここは病院ですから」と軽くスルーされる。(笑うとこだよ)
すでに涙目。。
(マスカラはしてこなくてよかった)
「大丈夫です。小学生でもやりますから」
「先生、あたくし自慢じゃないですが小学生以下ですよ」
「・・・」
「ホント、何事もセオリー通りにいかない体質なんですよ」
「いや、今までこれでどうかなったことありませんから」
「やってる最中は、あとどれくらいとか、声かけてくださいね」
「はい、術中に話しかけられて安心しましたって患者さんに感謝の投書を頂いたことがあります」
「投書?」
「投書箱があるんですよ、院内に」
(感謝の気持ちを書いて欲しいのだろうか? 書くならこないだの大腸内視鏡の阿鼻叫喚の実態を書くっ!)
「ミディアムレアで」と頼んだら「?」て反応。
頼むから気を紛らわせるために笑ってくれよ。
案の定、鼻の奥の粘膜を焼くにつれ、「ゔあ゛〜あ゛〜あ゛〜」と奇声をあげる。
身体が硬直し腰が浮く〜〜っ……
ブリッジになる直前に手術は完了した。。
「あ、痛み止めのロキソニンはジェネリックはやめてくださいね、本物しか受けつけない身体だから」
涙の跡があるのに憎まれ口をたたくわたし。。
ああ、疲れた。。
ところがホッとしたのもつかの間、麻酔が切れたらヒリヒリしてきて、焼いた粘膜が空気に触れるだけでムズムズに…!
血の混じった鼻水とクシャミが止まらなくなり、常に鼻の穴にティシュを突っ込んでないと生きていけないではないかっ!
い、いったいこれはいつまで続くのか…?!