猫のツメ、ときどき腰痛。

偏った物欲と健康への偏愛。ときどき旅。ときどき腰痛。せまりくる高齢化社会を笑いながら生き抜くための情報発信ブログ。

やっかいな患者シリーズ:脱臼編

ある夜、麻布十番「富麗華」のツバメの巣のスープでお肌プリプリになったわたしは、週刊文春に狙われてないかいちいち気にする常務を見送ったあと、後輩と商店街に向かって歩いていた。

ただ歩いていた、それだけである。
確かその後輩が十番のTSUTAYAで財布を盗まれたという話に、「わたしだって会社のデスクで財布盗まれたことあるぜ」と対抗していた矢先のことだった。。

突然その場で左肩がフリーズした。。
この感覚は…。。なぜいまっ!?

かくしてわたしは救急に駆け込む、いや、その後輩が駆け込んで、わたしはタクシーから1ミリも動けない、息もできない、なぜなら肩に響くからっ、の状態でその後悲惨な1時間以上を過ごすことになったのである。

肩関節脱臼。しかも後方脱臼。
6年前にひどい後方脱臼で、関節唇を損傷し、完全に治る、いや治った感じになるまでにリハビリしながら2年かかった。

そもそも肩関節は、ティー(肩甲骨の関節窩)の上にゴルフボール(上腕骨頭)が載っているような状態で、関節周囲は靱帯や筋肉で補強されてるだけなので、簡単に脱臼するんだそうだ。ただそのほとんど95%が前方脱臼で、後方脱臼は珍しいのですと。
前方脱臼ならその昔ゴルフで経験済みだったが、後方脱臼の痛みは半端ない。

その後は正しい生活をしていたおかげで2年前に、恵比寿のレストランで腕組んで笑いのけぞったら脱臼した、ちゅうのが「一回だけ」あるくらいだ。
(そのときは亜脱臼だったか?)

ところで都内の救命救急センター。

お腹がでっぷりしたヤブそうな医師が、診察室まで来いと言いはって、タクシーを降りれないわたしを鞭うった。動けないんですよ、ただの脱臼じゃないから。。

声にならない声で口がパクパクする。

30分かけてようやく辿りついた部屋でポータブルレントゲン撮影。

「骨が上に上がってるね〜」
「だから早くっ(声にならない)」
すでに息ができない酸欠とショックで真っ青なあたしの、内側に曲げたまま固まったあたしの腕を、この呑気な医者が外に回旋しようとした咄嗟、、

あたしの絶叫は西麻布を通り越して青山墓地まで響き渡った、と思う。

後方脱臼だとは思わなかっただと?
肝を冷やした医師、ストレッチャーに座ったまま失神寸前のわたしは、透視レントゲンの前まで運ばれた。

「お願いですから早くっ(声にならない) 」祈るもその後
「もう入ってるよ」
「そんなはずは(声にならない)」

結局、その医者の部下?の先生がおかしいと気づいて後方脱臼だと確認の末にやっと整復できたときは、息を深く吐き出したとともに堰を切ったように泣き出したのだった。
今まで痛すぎて涙もでなかったんだよ。。。

三角巾の姿(三角頭巾ではない)で産業医に「GWに飛行機に乗っていいか」と聞いたら、速攻で某大学病院整形外科の肩関節専門医を紹介してくれた。
その日のうちにCTを撮る。

ユースケサンタマリアと筧利夫を足して3で割ったみたいな顔した早口の、いま日本では肩関節といえばこの人らしい教授様が言うには、、

やっぱり骨頭に欠け傷の凹み(陥没骨折でヒルザックという)、受けの肩甲骨の関節窩も後方の関節唇が欠けてる?&角度が足りないと。
だから脇を空けて後方にねじると骨頭が外れてしかもその欠けが引っかかるんだそうだ。
(関節唇は6年前の事故で損傷したけど、骨頭の凹みまであったのかは調査中。。。)

脱臼した時は烏口突起を押してもらうと整復できるよ、と。(誰が咄嗟にそんなことできるのか?)

まだ痛むのは靭帯や腱板も損傷している状態だから。

手術する場合は、陥没骨折して凹んでいるところに自分の骨を移植するらしい。

 

「手術が必要なんですか?」
「本人がどのくらい困るか次第だね」
「手術はいやです」
「いますぐ必要な状態ではないよ」

 

「どうやって生きていけば?」
「脇を閉めることだね」
「脇が甘いってことですか?」

 

「アイソメトリック筋トレをやってください」
「ジムのトレーナーに伝えます」
「腕立て伏せなどは脇を空けるのでだめです」
「壁ドンは?」
「…それ、必要ないでしょう?」

みたいな…
頭がよくてわかりやすく即答してくれる先生は好きです。

骨が自然治癒する場合もあるので(いまから?この歳でか?)経過を診ていこうという優しさが凹んだ骨に沁みました。

激痛のショックがまだ続いていて、時折フーっと気を失いそうになります。

思い出すだけで、恐ろしい。
骨が凹む、心も凹む、恐怖体験でした。

 

▼解りやすい脱臼のしくみ(こんなの調べてどうする)
http://takeda-seikeigeka.com/Bankart.html

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